薬BLOG

薬の情報、自分の勉強記録

トルリシティの打ち忘れ

トルリシティ皮下注は遺伝子組換えのデュラグルチドが含まれている注射キットであり、2型糖尿病に適応のある薬です。用法用量は週に1回皮下注射することになっています。

この週1回とはいつでもいいわけではなく、週のうち同一曜日に投与させる事と添付文書の使用上の注意に記載があります。

 

作用機序

デュラグルチドは膵臓β細胞膜のGLP-1受容体を介して血糖依存的にインスリンを分泌促進、グルカゴン分泌抑制作用を示す。

 

糖尿病患者と接してみて、、、

几帳面な正確の人であれば、カレンダーに記帳して忘れないようにしているかもしれませんが、ときどき注射するのを忘れてしまう人がいます。

これは偏見かもしれませんが、糖尿病の患者はなかなか自己管理というものがルーズな人が多く、その性格のせいで食生活や生活リズムが乱れていき結果、糖尿病という病気に繋がっているような気がします。(1型糖尿病の人はまた話が違いますが)

病院に入院してきた糖尿病患者の持参薬鑑別をすると、ゴミと薬が一緒に入っていたり、なぜか袋がべとべとしていたり、薬の管理状態に驚く事があります。

 

打ち忘れに気付いたら、、、

打ち忘れに気付いたら、気付いた時点によって対処が少し変わってきます。

①次回投与までの期間が3日間(72時間)以上であれば、気付いた時点で直ちに投与し、その後はあらかじめ定めた曜日に投与。

②次回投与までの期間が3日間(72時間)未満であれば投与せず、次のあらかじめ定めた曜日に投与

*週一回の投与日を変更する必要がある場合は、前回投与から少なくとも3日間(72時間)以上間隔をあけること。

 

妊婦への投与は?

インスリン妊婦へ投与できますが、トルリシティはインスリン製剤ではないため、また安全性が確立していないため投与は避けるようにとイーライリリーのホームページに記載してあります。

 

授乳婦への投与は?

乳汁中への移行は不明のため、投与は避ける事とイーライリリーのホームページに記載があります。

 

まとめ

糖尿病の治療薬は様々な種類のものがありますが、薬だけに頼るのではなく、自分の体の状態をしっかり把握し、食生活や生活習慣を見直す事が重要になってくると思います。

服薬指導でも、コンプライアンスが悪い患者には少し厳しく指導した方がいいのか・・・。

 

 

リンゼス錠0.25mg

リンゼス錠(リナクロチド)とは

酸化マグネシウムのような塩類下剤やセンナのような大腸刺激性下剤等とまた違った機序の新規の下剤であり、アステラス製薬会社から2017年3月より発売しています。

機序として、腸管上皮細胞表面に存在するグアニル酸シクラーゼC受容体を刺激し、細胞内のcGMPを増加させ、間接的にプロテインキナーゼGⅡ(PKGⅡ)を活性化。活性化したPKGⅡが嚢胞性線維症膜貫通調節因子(CFTR)を活性化させCFTRからクロライドイオン(CL⁻)と重炭酸イオン(HCO3⁻)を腸管腔へ排出し、便を軟らかくする仕組みになっています。

また増加したcGMPは小腸や回腸の求心性神経の痛覚過敏を抑制するため、腹痛などを改善すると考えられています。

 

リンゼスの特徴

Q適応は?

A便秘型過敏性腸症候群と慢性便秘(2018年8月より追加された)

Q用法用量は?

A0.5mgを1日1回(1錠0.25mg規格のため1日1回2錠)食前に服用。症状により0.25mgに減量。食後に服用してしまうと下痢をする確立が増えるとのこと(メーカーより)

Q服用後何時間で効く?

A服用してから6~7時間後

Q副作用は?

A主なものは下痢症状。

Q吸収されるのか?

Aリンゼスは体内に吸収されない薬です。

Q分包できるのか?

A吸湿性が高いため分包は避ける事が好ましい。(メーカーより)

 また経管投与の際、溶かしても薬効には問題ない。

 

リンゼス錠が処方されたら

リンゼスは下剤としてファーストチョイスは避け、まずはマグミットやプルゼニドなど一般的に使用されている薬剤から使用して、効果や改善が見込めない場合にリンゼスと併用または切り替える使い方が好ましい。

リンゼスが処方にあったら、今まで他の下剤を使った事があるか、またリンゼスは体内に吸収されないが小児や妊婦には安全性が確立されていないため使用する人に確認が必要だと思います。

 

 

第104回薬剤師国家試験

薬剤師国家試験を受けていたあの頃・・・

早いもので、僕が合格した薬剤師国家試験の日から1年以上が経ちました。

薬剤師国家試験には苦い思い出があり、僕は3回受験しました。

大学は留年などせず、ストレートで卒業はできたのですが、現役生で101回、一浪して102回、二浪して103回目でようやく合格し現在病院薬剤師として働いています。

 

なんとか合格!

昔から要領がいいほうではないので、勉強は努力してもなかなか良い点数は取れませんでした。国家試験でも同じで、薬ゼミの模試では最高で210点までしか取れた記憶がありません。

今回の104回薬剤師国家試験からは禁忌肢が導入されたようで、103回で合格して良かったとホッとしている自分がいます。

 

104回薬剤師国家試験の感想

各社予備校が国家試験の答えや総評を出しているので、自分が合格したかどうかはある程度わかると思います。

国家試験は101回から相対評価になっているため、合格点の225点に届かなくても合格する場合があります。恥ずかしながら自分は3回も受けて225点には一度も届いておりません。(点数は恥ずかしいので伏せておきます)

今回の104回は難易度は103回と同等、もしくは少し難しいように思いました。

あくまで予想ですが合格点は215点くらいになるのではないでしょうか。

 

受験された方々へ

今回受験された方々、とにかくお疲れさまでした。自己採点で合格が確定している人、合格しているか微妙な人、残念ながら落ちてしまった人、色々な人がいると思いますが、今はゆっくり休んだり、思う存分遊んだりしてください。国家試験の勉強は本当に辛かったと思うので、この時期は好きな事をやるのが一番です。